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自然科学(物理数学・基礎物理・惑星科学)と工学(機械工学・生体工学)および地方自治(大都市問題・地方分権)に関して好きに話すブログ

【センター試験の大学院入試版:GRE subject physics】 Practice bookの問題演習1

日本では,95%を超える高校進学率から分かるように,高校生活を経験したことが世間一般となっている.

例えば,ドラマやアニメで高校生が主役の作品が多い.

これは,精神的にも最も重要な時期であることも要因だが,高校生活は誰もが経験しているので共感を得られやすいという事があるのだろう.

 

さて,近年では,そんな高校生の卒業生に占める大学進学者数の割合は,50%近くになっている.

そんな大学入学の際に受験する可能性が高い試験が,「大学大学入試センター試験」である.

 

どんな問題か知らない人は過去問が公開されている.

基本的には択一式問題であり,高校内容が範囲となっている.

 

さて,このセンター試験は,大多数の人が受験する大規模統一試験であり,各科目の基礎ができているかをチェックする問題となっている.

この大学院入試版の試験がGRE subject physics(物理分野)である.

択一式の問題で,大学学部内容の基礎を問われる試験である.

しかしながら,この試験はアメリカで使用される制度で,日本の大学院入試は各大学ごとの入試問題を解く形式となっている.

すなわち,センター試験のようなものはなく,初めから記述式の二次試験を受けるようなものだ.

したがって,記述式なので考える問題が多くはなるが,センター試験のような基礎ができているかを確認するためには不適正ではある.

以下にGRE subject physicsの出題範囲を記す.

 

概要
試験は、図やグラフ、実験データ、物理的状況の説明などを題材にした5択問題約100問で構成されています。
試験の目的は、受験者が基本的な原理をどの程度理解しているか、またその原理を問題解決に応用する能力があるかどうかを判断することにあります。
ほとんどの問題は、学部の最初の3年間の物理学を習得していれば答えられます。
試験では主に国際単位系(SI)が用いられます。試験問題集には、さまざまな物理定数とSI単位間の変換係数を表す情報の表が掲載されています。
試験委員会は、全国の物理系学部のカリキュラム調査をもとに、主要な内容に対するおおよその出題率を設定しました。この割合は、典型的な学部課程において各トピックが相対的に重視されているという委員会の判断を反映しています。これらの割合は、各コンテンツカテゴリーに含まれる主要なサブトピックとともに、以下に示されています。各カテゴリーにおいて、テストに含まれる小項目は、重要度が低い順に記載されています。
テストでは、ほぼすべての問題がこのリストに記載された内容に関連していますが、ここに明示的に記載されていない他のトピックに関する問題が出題されることもあります。
2020 年 9 月以降に実施される物理テストでは、トータルスコアに加えて 3 つのサブスコアが算出されます。(1)古典力学、(2)電磁気学、(3)量子力学と原子物理学です。サブスコアの基準となる問題は、テスト全体に分散して配置されており、個別に表示されることはありませんが、1つのコンテンツエリアから複数の問題が連続して出題されることがあります。


出題範囲と比率
古典力学 - 20%
運動学、ニュートンの法則、仕事とエネルギー、振動運動、固定軸を中心とした回転運動、粒子系の力学、中心力と天体力学、3次元粒子力学、ラグランジュハミルトニアン形式、非慣性参照枠、流体力学の初歩的な話題など


電磁気学 - 18%
静電学、電流と直流回路、自由空間の磁場、ローレンツ力、誘導、マクスウェル方程式とその応用、電磁波、交流回路、物質中の磁場と電場など


光学と波動現象 - 9%
波の性質、重ね合わせ、干渉、回折、幾何学的光学、偏光、ドップラー効果など


熱力学と統計力学 - 10%
熱力学の法則、熱力学的過程、状態方程式理想気体、運動論、アンサンブル、統計的概念と熱力学量の計算、熱膨張と熱伝導など)


量子力学 - 12%
基本概念、シュレーディンガー方程式の解(平方井戸、調和振動子、水素原子を含む)、スピン、角運動量波動関数の対称性、初等摂動論など


原子物理学 - 10%
電子の性質、ボーアモデル、エネルギー量子化、原子構造、原子スペクトル、選択規則、黒体放射、X線、電界・磁場中の原子など


特殊相対性理論 - 6%
入門概念、時間拡張、長さ収縮、同時性、エネルギーと運動量、4元ベクトルとローレンツ変換、速度付加など


実験方法 - 6%
データおよびエラー解析、電子機器、計測器、放射線検出、計数統計、荷電粒子の物質との相互作用、レーザーおよび光干渉計、次元解析、確率および統計の基礎的応用など


専門トピック - 9%
原子核素粒子物理学(例:原子核の性質、放射性崩壊、核分裂核融合、反応、素粒子の基本的性質)

凝縮系物質(例:結晶構造、X線回折、熱的性質、金属の電子論、半導体超伝導体)

その他(例:宇宙物理学、数学的手法、コンピュータの応用)


テストを受ける人は、物理学における特定の数学的手法とその応用に精通している必要があります。このような数学的手法には、単変量および多変量微積分、座標系(直交座標、円筒座標、球座標)、ベクトル代数およびベクトル微分演算子フーリエ級数偏微分方程式、境界値問題、行列および行列式、複素変数の関数などがあります。これらの方法は、様々な内容のカテゴリーに関連してテストに出題されることがあり、また、上記の専門的な話題のカテゴリーの中の数学だけに関する問題が時々出題されることもあります。』


この大学院入試版のセンター試験であるGRE subject physicsを解説していこうと思う.

問題は,上記の公式サイトで誰でも見れるPractice bookの問題を使用する.

 

では早速,第1問の解説をする(全100問).

 

1.合力FAは物体Aに作用し,合力FBは物体Bに作用している.物体Bの質量は物体Aの質量の2倍であり,物体Bの加速度も物体Aの加速度の2倍である.FAとFBについて正しいには以下のどれか?

f:id:biomechanics:20210327165140p:plain

 

力Fと加速度a,質量mの関係を思い出そう.

力と加速度は質量を比例係数として線形関係で表される.

 F=ma

 

f:id:biomechanics:20210327170003p:plain

 

したがって,加速度が2倍になれば,力も2倍になる.

この問題では,物体Aの質量をmとすると,物体Bの質量は物体Aの2倍より2mとおける

また,同様に物体Aの加速度をaとすると,物体Bの加速度は2aとなる.

従って,力はそれぞれ

FA=ma

FB=2m・2a=4ma

よって,

4FA=FB

となる.

A.(E)

天文学の世界へ

天文学の世界へ

このシリーズでは,宇宙論や惑星科学などの天文学に慣れ親しんでもらおうという企画になります.

まずは,前提となる物理知識を比較的必要としない内容から始めます.

基本的には下記の書籍を参考とします.

 

 

次に一般向けの宇宙本を用いて説明します.

レベル的には,簡単な数式を説明するかあるいは単に数式だけ示すような形で進めていきます.

書籍で言うと,以下の書籍が参考になります.


そして,大学教養レベルの物理を用いて,天文学を整理していきます.

ここまでくれば,天文宇宙検定1級レベルと言えます.

 

ここからは,大学専門レベルの話を始めます.

一般相対性理論を用いた記述が主になります.

 

 

そして最終的には,大学院レベルの内容に触れてみるのもいいかもとは思ってはいます.


少しでも宇宙の深淵に触れてみよう!

そして,最終的には無料で読める論文誌を読んでみるのもいいかも?

 


もしかしたら,購読してまでも読みたくなるかも?


 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【量子力学の入口】①Stern-Gerlachの実験〈頭の中から経験則による常識を捨て去り,量子の世界に触れてみよう〉

はじめに

 

量子力学と聞いて,何を思い浮かべるだろうか?

物理学をかじった事がない人は,難しそうな響きに聞こえるだろうか?

少しでもかじった事がある人は,相対性理論と並んで物理学の花形という感覚もあるだろう.

 

本来であれば,量子力学の前に解析力学を学んだ状態からスタートする事が多いと思われる.

私は大学受験のために,とある国立大学を訪れた際,学内の書店で量子力学の本を買ったのが始まりである.

とはいえ,当時は普通の高校生であり,浅学非才の私には到底理解できない代物だった.

しかしながら,中学生でも理解できる人がいるというのは,やはり論理的思考と日常的な経験に反していても受け入れられる柔軟な思考の持ち主なのだろうと感嘆する.

断っておくが,この本が悪い訳ではない.

名著とまでは言われていないが,間違いなく良書である事は保証しよう.

ちなみに,高校時代に買ったこの本が,大学の講義の教科書として指定されていたというのは,また別の話だ.

 

私のおススメの本は,次回以降に紹介しようと思う.


さて,本題に入ろう.

量子力学的な現象,すなわち量子的振る舞いの一側面について,小難しい古典力学の知識が理解の妨げになる前に少しでも慣れ親しんでいた方が,量子力学を本格的に取り組む際に柔軟に対応できるのではないかと思う.

そこで,まだ古典力学の世界に頭が凝り固まっていない高校生や大学初年度の学生に向けて,量子力学の世界に慣れ親しんでもらおうと思う.

 

そもそも,表題のStern-Gerlachの実験とは何なのか?

ドイツ語で書かれているらしいので,私も読めないが,SterunとGerlachによって1922年に書かれた論文が発端となっている.

『Gerlach, W., Stern, O. Der experimentelle Nachweis der Richtungsquantelung im Magnetfeld. Z. Physik 9, 349–352 (1922). https://doi.org/10.1007/BF01326983

 

ここでは,Natureの記事を参考として引用しておこう.

重要なのは本文ではなく,実験結果の画像の方だ.

実験内容の説明の後,その画像を用いて詳細に解説する.


その前に,私にはとある信条がある.

それは現象を理解して,数式によってあらゆる事象に応用可能な状態が目指すべき目標であるならば,その前段階があるだろうという事である.

すなわち,ホップ,ステップ,ジャンプとステップアップしていくなら,ホップできるだけでも,ステップまで行けたということも,とても価値があるということである.

ここで,私はステップを3つに分けた.

ステップ①:どんな現象なのか,頭の中でイメージすることができる.

ステップ②:詳細はさておき,とりあえず数式を暗記しており,型にはまった内容ならばスムーズに解ける.

ステップ③:数式の意味するところや,導出なども理解し,別の分野など様々な分野に応用できる.

 

この記事によって,ステップ①を目指し,最終的にはステップ②まで到達して頂ければ幸いである.

 

では実験内容を見ていこう.

 

実験内容

銀を炉で熱し,飛び出した銀原子を一方向のビームとして抽出し,装置に照射する(Fig. 1).

装置を通過した銀原子は,奥に設置されたガラス板に衝突し跡を残す.

こうして残った衝突跡を見る実験である.

 

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Fig. 1 Stern-Gerlachの実験概略図

 

この実験で何が分かるのか,考えていこう.

高校物理では,一様な磁場中での粒子の運動を学んだと思う.

そこで,磁気力Fについて,

          F=mH 

と表されることを学んだ.

m [wb]は磁気量,[AT/m]は磁場の強さという.

 

ここで,磁気量mから変位ベクトルrだけ離れた位置での磁場の強さは,

f:id:biomechanics:20210222165532p:plain
と計算できる.

 

高校生には馴染みがないかもしれないが,式の最後のr/rは,ベクトルをスカラーで割っている.

ベクトルは大きさと向きを持った量で,スカラーは大きさのみを持つ量であることから,r/rが向きだけを表すことは容易に想像できるだろう.

高校時代では,磁場の強さの大きさだけの議論で良かったため,r/rは省かれていたのだ.

 

もちろん,書き方はこれに固執する必要はなく,例えば,

f:id:biomechanics:20210222165720p:plain

と書いても良い.

 

今,棒磁石を考えてみよう.

磁石にはN極とS極があり,同極同士は反発し合い,異極同士は引き付け合う.

上記の式がCoulombの法則と似ていることからも,電気と磁気の対比は有用な思考プロセスだと言える.

今,電気の場合は電気量q [C]が存在し,それが+qなのか-qなのかで,正電荷負電荷に分けられた.

電荷同士や負電荷同士は反発し合い,正電荷負電荷は引き付け合う.

磁気でも同じだと考えると,磁気量にも+mと-mがあると考えられる.

 

新しく磁気モーメントという値を考案しよう.

今,磁気量+mと-mの点磁荷が距離Lだけ隔てた位置にあるとする.

ここでは厳密性を無視し,長さLの棒磁石で両端の点磁荷がそれぞれ+m,-mであるとイメージする.

この負磁荷-mから正磁荷+mに向かう方向と,mLという大きさを持つベクトルを磁気モーメントMと定義する.

 

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Fig. 2 磁気モーメント

 

では,なぜこの値がモーメントなどと呼ばれているのか,考えてみよう.

今,一様で強さがHの磁場が存在するとしよう.

そこに,磁気モーメントMを持つ棒磁石を角度φの向きで置く(Fig. 3).

するとどんな力がはたらくだろうか?

磁場の向きに磁気モーメントが揃うように偶力が生じることになる.

すなわち,モーメントNがはたらくのだ.

        N=M×H

ここで×という記号は,ベクトルの外積を表している.

外積は,積をとる両ベクトルの間の面積を大きさ(|N|=|M||H|sinφ)に持ち,今回の場合はMからHに向かってネジを回した時に進む方向を持つベクトル量となる(Fig. 4).

 

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Fig. 3 磁場から受ける作用

 

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Fig. 4 ベクトルの外積

 

今回の銀原子においても,原子核の周りを電子が回っているため,磁気モーメントを有していると考えられる.

磁気モーメントの考え方を,今回の実験にも適応できる.

しかしながら,もう一つ注意する必要がある.

ここまでの話は,一様な磁場に置かれた場合であるのに対し,今回の実験ではあえて不均一な磁場を与えている点だ(Fig. 5).

 

 

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Fig. 5 不均一磁場

 

次回は,不均一な磁場に置かれた磁気モーメントに作用する力と,この理論から予測される実験結果,そして実際の実験結果を眺めながら,量子の不思議さに触れていこうと思う.

                              ……次回に続く

二重行政の弊害 ①市は市域内,府は市域外【大阪】

広域一元化の時事記事でも書いたが,大都市には二重行政が問題点として挙げられる.

 

もう一度,まったく同じ文章を書いておく.

 

『二重行政の定義は明確に決まってはいないが,山崎幹根(2012)は二重行政の特徴について以下のように記載している.

 

ⅰ.垂直的に並立する行政組織の間で,主として都道府県と市町村,あるいは国と都道府県との間において生じる現象である.

ⅱ.垂直的に並立する行政組織が,主としてそれぞれ重複する区域および区域内の住民に対して,同一政策分野における類似政策を実行する状態である.

ⅲ.組織間の調整,政策実行上の役割分担の整理不足,または欠如によって,政策の実行に非効率が生じ,また民主的統制の阻害要因などの弊害が生じる.

 

山崎幹根(2012):「『二重行政』の解決は可能か-効率性と民主的統制の視点から」『都市問題』第103 巻第4 号、(公財)後藤・安田記念東京都史研究所

 

これに加えて,大阪では

①市域拡張を巡る論争(特別市運動・市域拡張の対立)

②市は市域内,府は市域外という縄張り意識(政令指定都市≒特別市として運用したため)

③ほぼ全域が都市化している大阪府の中心に大阪市が位置しているしているという地理的構造に加えて,堺市東大阪市などの周辺市も高い行政能力を有している市が増えたことで,実質的に大阪市と同レベルの都市域が拡大傾向にある.

 

こういった歴史的背景も相まって,大阪での二重行政はより深刻となっている.』

 

この中で,大阪特有の二重行政について触れる.

よく説明されるハコモノ行政に関する二重行政は次回に説明するとして,今回はあまり触れられていない部分を説明しようと思う.

 

第1章 戦前の特別市運動

まず,特別市の存在を語らなければならない.

時代は1910年代,六大都市(東京市京都市大阪市横浜市名古屋市,神戸市)は,府県の域外化を主張し,完全独立を目指していた.この運動を,特別市運動と呼ぶ.

六大都市の要求は以下の通りである.

Ⅰ.府県知事が市長を兼務せず,市会選出市長を維持する(政治的要求).

→1889年3月23日の「市制中東京市京都市大阪市ニ特例ヲ設クルノ件(市制特例)」により,1899年10月1日の廃止までの約10年間,三大都市東京市京都市大阪市)は独立した市長を持てず,知事が兼務していた事に由来する.

Ⅱ.内務大臣と府県知事に二重監督を廃止し,直接内務大臣の監督下に置く(行政的要求).

→市町村長の選任と解職に対する内務大臣、知事の強力な発言権の拡大と市町村の主要吏員に対する知事および市町村長の統率力の拡大が規定された.

Ⅲ.都市計画のための税源等(土地増価税や市内で集められた府県税等)を大都市の税源に移す(財政的要求).

 

しかしながら,特に税源を市に移す要求は通っていないことは明白である.

 

第2章 東京市の改革

六大都市として足並みを揃えていたが,東京市だけ異なる動きを見せることになる.

1932年東京市は周辺の5郡82町村の編入に伴い,大規模都市へと発展していく.

翌1933年,内務省は府市二重行政の支障を理由に東京都制案を提案した.

こうして,東京市会の反対もありながら,1943年に東京市を廃止して特別区を設置する東京都制が発足した.

東京都区制度に関しては,別の記事で詳細を記述することにする.

 

第3章 戦後の特別市制度

1947年3月11日,地方自治法案要綱において,特別市に関する事項が明記された.

1. 人口50万人以上

2. 都道府県の区域外にあるものとする

3. 市長,助役,収入役及び副収入役を置く

4. 行政区を設ける

5. 行政区には,区長,区助役などの機関を置く

6. 法律に特別の定めがあるものを除き,都道府県に関する規定を適用する

7. 東京の区は特別区とし,原則として市に関する規定を適用する.また,都は条例で特別区について必要な規定を設けることができる

 

しかしながら,特別市には制度そのもの以前に,重大な問題点を含んでいた.

 

①特別市は都道府県の区域外とし,都道府県並の権限を持つ

これはすなわち,都道府県内の市が小さな都道府県として独立することに他ならない.

こうなれば,広域自治体として都道府県が行う総合行政に悪影響を与える.

よって,府県側からの猛反発を受けることになった.

 

②特別市設置に関する住民投票の範囲が府県民

1947年12月,住民投票の範囲が府県であると規定された.

市の独立は,当該市外の府県民には反対されるため,府県民の過半数を占めていない当該市が特別市になることはほぼ不可能となった.

大阪市廃止を大阪市民に問う住民投票と似ている.

 

その後,様々な議論があり,府県と大都市の間に大きな亀裂が生じる状況となった.

政府は,事態収拾のため,妥協案が示される.

1956年6月に,特別市制度の規定を削除し,政令指定都市が追加された.

特別市の名残として,人口50万人を基準としたり,行政区を設けるなどが見られる.

特別運動は一時の終わりを迎え,特別自治市構想へと繋がっていくことになる. 

 

このように,府県と大都市の間には大きな確執があったのだ.

それに加えて,大阪には独自の問題が数多く存在する.

大阪府が提案した「大阪新都機構」と大阪市が提案した「スーパー指定都市」で対立など,様々存在するが,別記事でまとめることとする.

 

第4章 特異な大阪の状況

ここで事業所の集積をみてみる.

『事業所とは,経済活動の場所ごとの単位であって,原則として次の要件を備えているものをいう。

1)経済活動が,単一の経営主体のもとで一定の場所(一区画)を占めて行われていること。

2)物の生産,サービスの提供が,従業者と設備を有して,継続的に行われていること。』

 

イメージとしては,会社だけでなく旅館や商店のような個人商売をしている場所も含めて事業所だと思えば今は問題ない.

この事業所が数多くまとまっているほど,大都市だと言える.

ここで,代表として三大都市を有する都府県(東京都・愛知県・大阪府)を比べてみる.

 

Ⅰ.東京都

流石,一部上場している企業の多数が本社を置き,皇居が存在し,さらに永田町や霞が関といった政治の中心地でもある東京の事業所数は桁が違う.首都圏の名は伊達ではないことが,改めて分かる.

しかしながら,東京都内における事業所の大部分は東京23区内に収まっている.

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Ⅱ.愛知県

事業所は名古屋市内に集中している.一方で,名古屋市外では豊田市等にも事業所が固まっているが,名古屋市とは独立している.f:id:biomechanics:20210111003207p:plain

 Ⅲ.大阪府

東京都に匹敵するほど,事業所が密に集積している.

しかしながら,名古屋市や旧東京市とは異なり,大阪市外にも事業所が集積している.

名古屋市との大きな違いは,大阪市内外で連続的に事業所が広がっていることである.

このことが二重行政を助長している.

大阪府大阪府内全域の広域行政を担っている.当然,大阪市大阪府の広域行政に含まれる.しかしながら,特別市の項にて説明した通り,元々大阪市都道府県並の権限を持ち大阪府から独立することを望んでおり,その運動を終息させるための妥協の産物として権限の一部を移譲された政令指定都市は,特別市には及ばずとも大きな力がある.

これが,「大阪市は市域内,大阪府は市域外」と言われる所以なのだ.

大阪市大阪市内の行政を担い,大阪府の介入を徹底的に遮断した.

しかしながら,大阪市を超えて市外まで連続的に事業所が続いているため,上記のような状態だと,行政が上手く嚙み合わない.

大阪市内外関係なく,連続的な事業所の管轄は広域的に行う必要がある.

その上で,より細かい部分は市がサポートしなければならない.

これが二重行政の弊害と言える.

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*付録

≪特別市≫

地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)(抄) ※ 昭和31年改正前の規定
第三編 特別地方公共団体
第一章 特別市
第二百六十四条 特別市は、その公共事務並びに法律又はこれに基く政令により特別市に属するもの及び従来法律又はこれに基く政令により都道府県及び市に属するもの(政令で特別の定をするものを除く。)の外、その区域内におけるその他の行政事務で国の事務に属しないものを処理する
2 第二条第三項及び第六項の規定は、前項の事務にこれを準用する。
第二百六十五条 特別市は、都道府県の区域外とする。
特別市は、人口五十万以上の市につき、法律でこれを指定する。その指定を廃止する場合も、また、同様とする。
3 特別市の廃置分合又は境界変更をしようとするときは、法律でこれを定める。但し、特別市の区域に市町村若しくは特別区の区域又は所属未定地を編入する場合においては、関係地方公共団体の議会の議決を経て内閣総理大臣がこれを定める。
4 法律で別に定めるものを除く外、従来地方公共団体の区域に属しなかつた地域を特別市の区域に編入する必要があると認めるときは、内閣がこれを定める。この場合において、利害関係があると認められる地方公共団体があるときは予めその意見を聴かなければならない。
5 第三項但書の規定による処分をしたとき、又は前項の規定による処分があつたときは、内閣総理大臣は、直ちにその旨を告示すると
ともに、国の関係行政機関の長に通知しなければならない。第七条第七項の規定は、この場合にこれを準用する。
6 第二項の規定により特別市の指定があつたとき又は第三項但書の規定により境界の変更があつたときは、都道府県の境界は、自ら変
更する。
7 第三項又は前項の場合において財産処分を必要とするときは、関係地方公共団体の協議によつてこれを定める。
8 第四項の意見又は前項の協議については、関係地方公共団体の議会の議決を経なければならない。
9 第二項の法律は、第二百六十一条及び第二百六十二条の規定により、関係都道府県の選挙人の賛否の投票に付さなければならない。
第二百六十六条 第九条の規定は特別市と市町村又は特別区との境界に関し争論がある場合に、第九条の二の規定はその境界が判明でない場合において争論がないときにこれを準用する。但し、政令で特別の定をすることができる。
第二百六十七条 特別市の区域内に住所を有する者は、当該特別市の住民とする。
第二百六十八条 特別市に市長及び助役を置く。但し、条例で助役を置かないことができる。
2 助役の定数は、条例でこれを定める。
3 特別市の市長は、当該特別市の事務並びに法律又はこれに基く政令によりその権限に属する国、他の地方公共団体その他公共団体の
事務及び政令で特別の定をするものを除く外、従来法律又はこれに基く政令により都道府県知事及び市長の権限に属する国、他の地方
公共団体その他公共団体の事務を管理し及び執行する。

第二百六十九条 特別市に収入役一人を置く
2 特別市は、条例で副収入役を置くことができる。
3 副収入役の定数は、条例でこれを定める。
第二百七十条 特別市は、市長の権限に属する事務を分掌させるため、条例で、その区域を分けて行政区を設け、その事務所を置くものとする。
2 特別市の市長は、区長の権限に属する事務を分掌させるため、条例で、必要な地に行政区の支所を設けることができる。
3 行政区の事務所又は支所の位置、名称及び所管区域は、条例でこれを定めなければならない。
4 第四条第二項の規定は、前項の事務所又は支所の位置及び所管区域にこれを準用する。
第二百七十一条 行政区に区長及び区助役一人を置く
2 区長は、その被選挙権を有する者について選挙人が投票によりこれを選挙する。
3 区助役は、特別市の事務吏員の中から特別市の市長がこれを命ずる。
4 区長は、特別市の市長の定めるところにより、区内に関する特別市の事務及び特別市の市長の権限に属する国、他の地方公共団体
の他公共団体の事務並びに法律又はこれに基く政令によりその権限に属する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務を管理する。
5 区助役は、区長の事務を補佐し、区長に事故があるとき、又は区長が欠けたときその職務を代理する。
第二百七十二条 行政区に区収入役一人を置く
2 区収入役は、特別市の事務吏員の中から特別市の市長がこれを命ずる。
3 特別市の市長、助役、収入役若しくは監査委員又は区長若しくは区助役と親子、夫婦又は兄弟姉妹の関係にある者は、区収入役となることができない。
4 区収入役は、前項に規定する関係を生じたときは、その職を失う。
第二百七十三条 区収入役は、特別市の収入役の命を受け、特別市の出納その他の会計事務並びに特別市の市長及び区長その他特別市の吏員並びに特別市の教育委員会選挙管理委員会、人事委員会、公安委員会、地方労働委員会、農業委員会、監査委員その他法令又は条例に基く委員会又は委員及び行政区の選挙管理委員会の権限に属する国、他の地方公共団体その他公共団体の事務に関する出納その他の会計事務を掌る。
2 特別市の市長は、収入役の事務の一部を区収入役に委任させることができる。この場合においては、特別市の市長は、直ちにその旨を告示しなければならない。
3 前項に定めるものを除く外、区収入役の権限に関しては、市の収入役に関する規定を準用する。
第二百七十四条 行政区に区出納員を置くことができる。
2 区出納員は、特別市の事務吏員の中から特別市の市長がこれを命ずる。
3 区出納員は、区収入役の命を受け、出納事務を掌る。

第二百七十五条 前四条に定める者を除く外、行政区に吏員その他の職員を置き、区長の申請により、特別市の市長がこれを任免する。
2 前項の職員は、特別市の職員とし、その定数は、条例でこれを定める。但し、臨時又は非常勤の職の定数については、この限りではない。
3 第一項の吏員は、区長の命を受け、事務又は技術を掌る。
4 区長は、その権限に属する事務の一部を第一項の吏員に委任し又はこれをして臨時に代理させることができる。
第二百七十六条 行政区に選挙管理委員会を置く。
2 前項の選挙管理委員会に関しては、第二編第七章第三節中市の選挙管理委員会に関する規定を準用する。
第二百七十七条 第十三条、第八十六条第一項、第八十八条第一項、第九十一条第一項乃至第三項、第百四十五条、第百五十二条、第百
六十条、第百六十二条乃至第百六十七条、第百六十八条第六項及び第七項、第百六十九条乃至第百七十一条、第百八十条の四第四項、
第二百二条の二第三項、第七項及び第八項、第二百九条、第二百十八条、第二百二十一条、第二百二十四条、第二百三十二条、第二百
四十二条第一項並びに第二百六十条中市に関する規定は、これを特別市に適用する。
第二百七十八条 この法律又はこれに基く政令に特別の定があるものを除く外、第二編中都道府県に関する規定は、特別市にこれを適用する。
第二百七十九条 削除
第二百八十条 この法律に規定するものを除く外、特別市に関し必要な事項は、政令でこれを定める。

ブログ名の意味

このブログのタイトル『知識の海』の意味を説明したい.

 

その昔,物理学者アイザック・ニュートンは,こう言ったとされています.

「世間の人々の目に私という人間がどう映るかは分からない。しかし、私自身には、目の前に真理の大海が未知のまま広がっているというのに、私ときたらただ浜辺で遊び戯れ、時おり普通のものよりも滑らかな小石や綺麗な貝殻を見つけては喜ぶ子供のようなものだった、としか思えない。」

https://www.blg.co.jp/blp/n_blp_detail.jsp

 

少々難しい……もう少し簡単な内容があった.

「私は浜辺で遊ぶ少年のようなものだ。ときどき、滑らかな小石や可愛い貝殻を見つけて遊んでいる。その一方で、真実の偉大な海はすべて未知のままに私の前に広がっている」


内容が微妙に違っている……

そういうのは置いておいて,重要なのは【未知の海が広がっている】という点.

目の前に広がる未知の海,すなわち未だ触れられない知識の海に片足だけでも突っ込みたい.

そういう思いを込めています.

理系の私が,地方自治や哲学・経済学などの文系知識に触れ,楽しさを覚えたように,今まで触れなかった事項にも触れていって欲しいと思っています.

 

【最新時事】 第21回副首都推進本部会議(指定都市都道府県調整会議)について ≪大阪≫

大阪では,昨年12月28日に第21回副首都推進本部会議が開かれた.

この会議は,指定都市都道府県調整会議を兼ねている.

大阪市のサイトによると,指定都市都道府県調整会議は以下のように書かれている.

 

地方自治法の改正により、指定都市及び当該指定都市を包括する都道府県は、事務の処理について必要な協議を行うため、平成28年4月1日から指定都市都道府県調整会議を設けることになりました。

大阪府大阪市の事務の処理について必要な協議を行うときは、副首都推進本部会議を指定都市都道府県調整会議として位置付けています。』


今回の議題は,「府市一体化・広域一元化に向けた条例の検討にあたって」となっている.

本来であれば,大都市制度の変遷と問題点,そして大阪で提案された解決策についての記事を作成した後が良いと思うが,現在進行形の事案なので優先的に記述することにする.

この記事で使用する画像等は,以下の公的なサイトで公表されている物である.

詳細はリンク先を参照してみることを勧める.

 

 

 今回は,大阪のこれまでとこれからが書かれているが,これまでについては大都市問題として別記事にまとめる予定なので割愛する.

また,これからの部分についても方向性を決めただけで中身までは決まっていないので,議会に提出された素案あるいは可決された際の本案については大都市問題の記事における大阪の取り組み例にて詳細に記述することにする.

 

資料3 府市一体化・広域一元化に向けた条例の検討にあたって(検討の視点)

 政令指定都市などの大都市には二重行政の問題が付きまとう.

二重行政の定義は明確に決まってはいないが,山崎幹根(2012)は二重行政の特徴について以下のように記載している.

 

ⅰ.垂直的に並立する行政組織の間で,主として都道府県と市町村,あるいは国と都道府県との間において生じる現象である.

ⅱ.垂直的に並立する行政組織が,主としてそれぞれ重複する区域および区域内の住民に対して,同一政策分野における類似政策を実行する状態である.

ⅲ.組織間の調整,政策実行上の役割分担の整理不足,または欠如によって,政策の実行に非効率が生じ,また民主的統制の阻害要因などの弊害が生じる.

 

山崎幹根(2012):「『二重行政』の解決は可能か-効率性と民主的統制の視点から」『都市問題』第103 巻第4 号、(公財)後藤・安田記念東京都史研究所

 

これに加えて,大阪では

①市域拡張を巡る論争(特別市運動・市域拡張の対立)

②市は市域内,府は市域外という縄張り意識(政令指定都市≒特別市として運用したため)

③ほぼ全域が都市化している大阪府の中心に大阪市が位置しているしているという地理的構造に加えて,堺市東大阪市などの周辺市も高い行政能力を有している市が増えたことで,実質的に大阪市と同レベルの都市域が拡大傾向にある

 

こういった歴史的背景も相まって,大阪での二重行政はより深刻となっている.

http://www.masse.or.jp/ikkrwebBrowse/material/files/201103sp01.pdf

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このような二重行政時代と比較して,現在では府市一体となった政策がある程度は実行できている.

良いか悪いかは別として,大阪・関西万博やIR(統合型リゾート)誘致など,協力関係が大きな力となっている例は数多くある.

IR誘致に関しては,愛知県と名古屋市が別々の場所を候補地にするなど,県市の連携がとれていない状態とは対照的である.

そこで,資料には府市一体となって進めるための制度作りが必要不可欠であると書かれている.

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その解決策の1つとして,広域一元化に向けて,

《対象》

特別区制度で府移管とされたもののうち成長やまちづくりに関するもの

・「産業振興」
・「都市魅力向上」
・「まちづくり、都市基盤整備」など

《方法》

・基本方針等の副首都推進本部会議での決定
・まちづくり関連などの事務について、事務委託や機関等の共同設置等を検討

・副首都推進本部会議は条例に明記し、地方自治法の「指定都市都道府県調整会議」よりも強固な仕組みを構築

となっている.

 

 まだ詳細は決まってはいないが恐らくこういう形になるだろう.

1.まちづくりや産業振興等の対象分野の政策に対して,副首都推進本部にて議論する

2.大阪市大阪府の議論の結果,必ずその会議の中で結果を決める.

3.反発状態であっても,必ずどちらか(基本は広域自治体である大阪府)が担当するように決定し,大阪会議のように欠席できないようにする←本部長である大阪府知事が議事の決定を行うため

といった感じだろうか?

 

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これだけの内容では何とも言えないが,どちらかに確実に決めて一体となって進めようというのは中京都構想に近いモノを感じられる.

しかしながら,広域自治体に権限だけでなく財源も移管するという考え方が受け入れられるかどうかが問題になると思われる.

とはいえ,基本的には大阪府に事業が一元化され,そのための財源も必要であるとの立場から,大阪府に財源も移管されることになる可能性は高いと思われる.
 

今後の動向に注目したい.

また,総合区に関しては,2017年において8区案が提案されているので,別の記事でその案を基にまとめていこうと思う.

 

*付録 

地方自治法

(指定都市都道府県調整会議)
第二百五十二条の二十一の二 指定都市及び当該指定都市を包括する都道府県(以下この条から第二百五十二条の二十一の四までにおいて「包括都道府県」という。)は、指定都市及び包括都道府県の事務の処理について必要な協議を行うため、指定都市都道府県調整会議を設ける。
2 指定都市都道府県調整会議は、次に掲げる者をもつて構成する。
一 指定都市の市長
二 包括都道府県の知事
3 指定都市の市長及び包括都道府県の知事は、必要と認めるときは、協議して、指定都市都道府県調整会議に、次に掲げる者を構成員として加えることができる。
一 指定都市の市長以外の指定都市の執行機関が当該執行機関の委員長(教育委員会にあつては、教育長)、委員若しくは当該執行機関の事務を補助する職員又は当該執行機関の管理に属する機関の職員のうちから選任した者
二 指定都市の市長がその補助機関である職員のうちから選任した者
三 指定都市の議会が当該指定都市の議会の議員のうちから選挙により選出した者
四 包括都道府県の知事以外の包括都道府県の執行機関が当該執行機関の委員長(教育委員会にあつては、教育長)、委員若しくは当該執行機関の事務を補助する職員又は当該執行機関の管理に属する機関の職員のうちから選任した者
五 包括都道府県の知事がその補助機関である職員のうちから選任した者
六 包括都道府県の議会が当該包括都道府県の議会の議員のうちから選挙により選出した者
七 学識経験を有する者
4 指定都市の市長又は包括都道府県の知事は、指定都市の市長又は包括都道府県の知事以外の執行機関の権限に属する事務の処理について、指定都市都道府県調整会議における協議を行う場合には、指定都市都道府県調整会議に、当該執行機関が当該執行機関の委員長(教育委員会にあつては、教育長)、委員若しくは当該執行機関の事務を補助する職員又は当該執行機関の管理に属する機関の職員のうちから選任した者を構成員として加えるものとする。
5 指定都市の市長又は包括都道府県の知事は、第二条第六項又は第十四項の規定の趣旨を達成するため必要があると認めるときは、指定都市の市長にあつては包括都道府県の事務に関し当該包括都道府県の知事に対して、包括都道府県の知事にあつては指定都市の事務に関し当該指定都市の市長に対して、指定都市都道府県調整会議において協議を行うことを求めることができる。
6 前項の規定による求めを受けた指定都市の市長又は包括都道府県の知事は、当該求めに係る協議に応じなければならない。
7 前各項に定めるもののほか、指定都市都道府県調整会議に関し必要な事項は、指定都市都道府県調整会議が定める。

 

《副首都推進本部》

副首都推進本部設置要綱

(設置)
第1条 大阪府大阪市及び堺市(以下「関係団体」という。)は、東西二極の一極を担う「副首都・大阪」の確立に向け、副首都推進本部(以下「本部」という。)を設置する。

(所掌事項)
第2条 本部は、「副首都・大阪」の確立に向け、次の事項を所掌する。
(1) 中長期的な取組み方向の検討に関すること。
(2) 大阪府及び大阪市における新たな大都市制度の再検討に関すること。
(3) 大阪府及び大阪市又は大阪府及び堺市の広域行政並びに類似する施設、施策、事務事業などいわゆる二重行政の解消に関すること。
(4) その他大阪府知事大阪市長及び堺市長が指定する事項に関すること。

(組織)
第3条 本部は、本部長、副本部長及び本部員をもって組織する。
2 本部長は、大阪府知事をもって充てる。
3 副本部長は、大阪市長及び堺市長をもって充てる。
4 本部員は、大阪府副知事、大阪市副市長、堺市副市長及び関係団体の関係部局長並びに第7条第3項に規定する事務局長及び事務局次長をもって充てる。
5 本部長又は副本部長は、必要があると認めるときは、大阪府知事大阪市長及び堺市長以外の執行機関の委員長(教育委員会にあっては、教育長)、委員若しくは当該執行機関の事務を補助する職員又は当該執行機関の管理に属する機関の職員から選任した者を本部員として加えるものとする。

(会議)
第4条 本部長は、会議を招集し、これを主宰する。
2 副本部長は、必要があると認めるときは、本部長に会議の招集を求めることができる。
3 前項の規定による招集の求めがあったときは、本部長は、会議を招集しなければならない。
4 本部長は、会議の協議事項が大阪府及び大阪市に関する事項又は大阪府及び堺市に関する事項のいずれかになる場合は、当該事項に関係する副本部長及び本部員のみを招集して会議を開催するものとする。
  ただし、第2条第2号に掲げる事項を除き、本部長は、本部の目的を達するため必要があると認めるときは、当該事項に関係する副本部長と協議の上、当該事項に関係しない副本部長及び本部員を招集して意見を述べさせることができる。
5 本部長は、本部の目的を達成するため必要があると認めるときは、副本部長と協議の上、関係団体の議会の議員、特別顧問及び特別参与(特別職非常勤職員就業等規則(平成24年大阪府規則第287号)第2条第3号及び第4号並びに大阪市特別顧問及び特別参与の設置等に関する要綱に規定する特別顧問及び特別参与をいう。以下「特別顧問等」という。)並びに職員、府内の市町村の長、学識経験を有する者その他関係者に対し、会議への出席を求めるものとする。
6 会議は公開とする。

(指定都市都道府県調整会議)
第5条 第2条第3号に掲げる事項等大阪府及び大阪市又は大阪府及び堺市の事務の処理について必要な協議を行うため会議を開催するときは、当該会議は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第252条の21の2第1項に規定する指定都市都道府県調整会議とする。
2 前項の会議について、協議事項が関係団体間で互いに関連する等本部長及び副本部長が適当と認める場合は、当該会議を同時に開催することができる。
  ただし、大阪市及び堺市の事務の処理について協議が必要となった場合は、この条の規定による会議とは別で大阪市及び堺市において協議を行うものとする。

(費用の支弁の方法)
第6条 関係団体は協議の上、本部の運営に要する経費について、共同で負担するものとする。

(事務局)
第7条 本部に、その事務を処理させるため、事務局を置く。
2 事務局の事務は、大阪府大阪市副首都推進局及び堺市市長公室が共同して担う。
3 事務局に、事務局長、事務局次長その他の職員を置く。
4 事務局長及び事務局次長は、本部長が指名する。
5 事務局長は、本部長の命を受け局務を掌理し、事務局次長は、事務局長を補佐する。

   附 則
 この要綱は、平成27年12月28日から施行する。
   附 則
 1 この改正要綱は、平成28年4月19日から施行し、同月1日から適用する。
2 この改正要綱による改正後の副首都推進本部設置要綱について、副首都推進本部会議に報告し、承認を得たときは、地方自治法(昭和22年法律第67号)第252条の21の2第7項の規定により指定都市都道府県調整会議に関し必要な事項を定めたものとする。
   附 則
 この改正要綱は、令和元年8月21日から施行する。

 

本ブログの内容

初めまして,ここでは私の自己紹介をします.

 

はてなブログは初めて使うもので,時間予約しようと思って,「公開する」を押したら,設定なしにそのまま公開されてしまったということで,この記事が2つ目の記事になります.

 

私はもうすぐ理系大学を卒業するバリバリの理系人間です.

なので,文系科目には非常に疎いです.

 

理系人としての専門は,機械工学になります.

なので,基本的な物理学および機械工学の話をしていければと思います.

また,専門分野としては,機械工学を生物に応用した「生体工学」や「臨床工学」となり,手法として用いる数値シミュレーションは「計算力学」を基礎としております.

 

また,趣味として宇宙についての話が好物です.

特に,惑星科学には興味があります.

そんな理系人間の私に最近,転機が訪れました.

それは,「大阪都(区制度)構想」の存在です.

住民に判断を委ねるという性質上,色々と調べました.

すると,大都市の生きている姿が見えて楽しく思う一方,良い面だけではなく大都市制度の問題点なども見えてきました.

 ここからYouTubeなどで,経済学や哲学の動画を視聴したりと文系科目にも興味が現れ,今では哲学・経済学・行政学・心理学に興味が出ています.

現在,すでに勉強しているのは大都市制度だけですが,マクロ経済学ミクロ経済学という経済の基礎中の基礎領域の書物を買う予定です.

 

ということで,本ブログでは,「生体工学系(基礎物理や機械工学を含む)」,「宇宙系」そして「行政系(主に大都市問題)」を三本柱として書いていきます.

といっても,今年大学を卒業し,新社会人となる立場で更新が滞る可能性が高いですけど,更新していければと思います.

 

ちなみに余談ですが,なろう系みたいに自作の小説を作ったという方は多いと思います.

人間は考える生き物なので,世に公開はしていないけど,よく頭の中で思い描いていたのではないでしょうか?

私も例に漏れず作っておりました.

 

そのうち作ってみたい話が2つほどありまして,

①大都市を形成していき,大都市の問題を主人公サイドの視点から実感できる話

②魔法の世界で,物理学に反せず,数式で記述できる架空の理論を作成し,劇中で主人公と学ぶ話

この2つです.

 

①の話では,実際に政治家をされた方が書いた方がリアリティがあって良いと思いますが,創作の世界では多少誇張したり,現実にはいない悪役のテンプレートみたいなキャラがでたり、たまにギャグを挟んだりと,生々しい話をユーモアにできると思うので,大都市問題を知ってもらえるような作品にしてみたいと思っています.

 

②の話では,理系として魔法であれ数式で表せると思っています.なので,ガリレオの時代から始まった近代科学の流れを,魔法の諸法則を思考実験等の近代科学的思考で主人公とい一緒にひも解いていく感覚を味わえる作品にしたいと思っています.

 

どうぞよろしくお願いいたします.

大都市制度の変遷と解決法

日本には政令指定都市と呼ばれる都市が存在し,指定された都市は最低でもおよそ70万人の人が住んでいる.

しかしながら,政令指定都市の裏には道府県と市町村の駆け引きがあったことや,大阪と京都や横浜では状況が異なっていたことなどを知っている者は少ないと思われる.

 

現在,人口200万人を超える大都市である横浜,大阪,名古屋(夜間人口順)は,大都市であるあゆえの問題に対して,それぞれの解決策を提案している.

 

横浜:特別自治市の設置

大阪:総合区の設置・広域一元化条例の制定(補足として,特別区の設置)

名古屋:中京都構想

 

このように,大都市ならではの問題は根深く,今のままではいけないという事や政令指定都市には制度的な欠陥がある事は,共通認識としてあるものの,具体的な答えは出ていない.

 

そこで,シリーズ「大都市制度の変遷と解決法」と題して,大都市に潜む問題を紐解き,提案されている解決策を見ていく.

参考として,人口が1000万人に近い東京23区の都区制度も取り上げることにする.

 

予定としては,

①行政の構造(普通地方公共団体特別地方公共団体都道府県と市区町村)

地方財政地方税地方交付税,都区制度)

地方自治法(大都市特例:行政区と総合区,特別区

④大都市制度の歴史(県とは異なる府の意味,廃藩置県平成の大合併,特別市,政令指定都市中核市,大都市法の制定)

⑤大都市の問題点(二重行政と住民自治など)

⑥解決策Ⅰ特別自治市(横浜・京都の場合)

⑦解決策Ⅱ中京都構想(愛知の場合)

⑧解決策Ⅲ大阪都構想と総合区(大阪の場合)

⑨地方都市にも適応できる? 地域自治区

⑩まとめ

 

となる.

あくまでも予定であり,また順番も不同である.